さて後半は今度は北回り、奥羽本線を使って大館市の銭湯。東能代も通るのか、能代市にも良さげな銭湯がありそうだが、無理はしないで通過。それにしても晴れて良かったよ、晴れてなかったら北上線ストップでは済まない、本当に秋田県への交通手段がなくなりかねない。なんか秋田市で走り回っていたら、歯痛は飛んで行ってしまった、まあ食事中は思い出しちゃうけど(汗)。岩手県内の移動は山深いところばかりだったが、今回の奥羽本線はひたすら平野が真っ白と言う光景。同じ北国でもところ変われば。
大館駅で下車。最寄り駅は東大館だが、花輪線を1時間待ちなので大館から走る。と言うか、街を歩かないと銭湯以外の発見がないからね。実際、大館駅前から細々と商店街は続くのだが、川を渡りしばらくすると突如栄えた商店街(と言うか、近郊が並ぶ光景はこちらがむしろ本来の中心街？)が現れる。別にこの通り沿いに東大館駅があるわけではなく、少し外れたところに駅がある。
さてその商店街の奥の方にレンガ製の煙突のシブイ建物。のれんがかかってないので一瞬休みかとビビるが、煙突から煙、高窓から湯気が出ているのを確認している。扉が固いので思わず横にあるインターホンを押してしまう(笑)。後で大女将に確認したら、単に扉が固いだけで鍵がかかっている訳ではないとのこと(ちょうど帰るお客が開けてくれた)。
そしてまだ浴室にいたお客も帰ってしまい、入浴する頃には独占状態。何はともあれ、番台の大女将に400円。やっぱり秋田県は400円なのかな？
なんか脱衣室、小ぎれいじゃない？跡継ぎができたのかな？大館にニュー銭湯発見、と言う感じ。でも鍵なし棚と乱れ籠だけ、昭和テイストもしっかり残ってる。体重計はTANITAのデジタル、今日の走りでますます絞れてる。天井からは三枚羽根の吊り扇風機、そう言えば先ほどの星の湯は家庭用扇風機がそのまま天井に設置されてた。
浴室、なんか雰囲気の良いライティング、これはオシャレ。でも若者客は少なそうだなあ(単に若者人口が少ないだけ)。道具はクリーム色の洗面器に台形座椅子。まあこういうところは温泉が多いから、こういうオシャレな雰囲気で温泉気分を味わってもらおう、と言うことなのでしょう。
島カランは1列、カラン数は右側女湯側から6・5・5・6。島カランはシャワーなし。秋田の銭湯は八戸銭湯みたいに湯カラン水カランで段差はなく、東京と同じ。そういや星の湯にはペンキ絵ではないが熱帯魚の絵が浴槽奥にあった、こちらは特になし。その代わり、湯の吹出口が岩風呂にいるなっている。さらに珍しいのが、今は使われていないが、竜頭の湯の吹出口があること。獅子頭(と言うかライオン頭)の吹出口は時々見かけるが、竜頭はなかなか珍しい。これも温泉気分を演出するための小道具なのでしょう。
ここも湯温は43度くらいかな。やはり寒い地方では湯冷めしないように熱い湯がまだまだ健在、ってことでしょうか。
湯上がり、こちらもお風呂ドリンクが置いてある様子はなし。いやそれより、料金表をよく見ると、いちおう大人400円になってますが、秋田県知事の名前で、平成30年12月31日をもって物価統制令は廃止した？どういうこと？
帰り際、一経営者に県政の話をしても無駄とは思いつつ、大女将に尋ねたところ、知事としては自噴温泉などが燃料費がかからないので100円とかでやられてしまうので、統制する意味がない、と言う主旨だったよう。でも客に、こうして燃料費のかかる町の銭湯はそんな料金では経営が成り立たない、やはり偉い人のお墨付きで料金を決めてもらわないと続けられない、と言うことで、実質的にはまだ物価統制令は有効みたい。と言う主旨のことを大女将は言ったのだと思うが、実際には昔話に脱線して行ったので、あくまでも話を聞いた私個人の解釈と言うことで(笑)。やはり、よそ者はもちろんだが、若い人が銭湯来ないんだなあ(私ももう若い人ではないと思いますが、大女将から見たら十分に若い人)、と言うのが感じられました。東京じゃ若い人にも銭湯ブームとは言え、そう言う若者は地元に残っていないですから(これから彼らがUターンすれば変わるかもですが)。
と言うことで話が長くなり、ご無理を言って話を中断させ、東大館駅に急ぐ。そんな風に慌てていたら、傘を忘れて取りに戻る。ギリギリの決断でかなり焦りました。しかし大女将残ってあの話を聞いたら、傘を見捨てる訳には行かなかった＞今の若い人はモノを大切にしない。土曜の夕方にたくさんの高校生、塾の帰りか？こっちの高校生の方が、友だちとのおしゃべりくらいしか受験残って邪魔になるものがなく、よく勉強している印象。
